山下達郎がきっかけとなって、音楽を聴くようになった少年時代、けっこうハマったミュージシャンのひとりに、ハーブ・アルパートがあります。
日本では、かのオールナイトニッポンのテーマソング「ビター・スウィート・サンバ」が有名ですが、それ以外にも「ライズ」など数多くのヒット曲を出しています。
ことに日本では、1980年代にコマーシャルソングに数多く使われ、彼の名や曲名を知らなくても、40代以降の方なら、その音色には聴き憶えのある方は、多いのではないかと思います。
有名どころでは、1981年にウイスキーのロバート・ブラウンに使われた「MAGIC MAN」でしょうか。トランペットの音色をバックに瓶の中で琥珀色のウイスキーが揺らぐ映像も、当時は新鮮で話題にのぼったものです。
この曲と同名のアルバムが発売され、当時レコードを買うお金などない貧乏学生だった私は、出始めだった「貸しレコード屋」から借りた音源をカセットに録音して、それこそ擦り切れるほど聴いたものです。
ハーブ・アルパートは、その後レコード会社を設立し、現在でも精力的に活動はしているそうなのですが、数多のレコード音源が、CDとして復刻しはじめた2000年代になっても、なぜかこのアルバムは一向にCD化されず、幻となって一時はネットオークションで、数万円の値が付くほどになっていました。
当然そんな金額を出せるはずもなく、わずかに発売されたベスト盤を買ってお茶を濁していたのですが、どうしたわけか、2016年にリマスター版が発売されているのを、つい最近になって知りました。
さらにこれも未CD化のままだった、「BLOW YOUR OWN HORN」(日本盤のタイトルは「RED HOT」)やティファナ・ブラス時代の「WARM」なども無事CD化されて発売されています。
ジャケット写真のハーブ・アルパート、若いなあ。(笑
どうも日本の輸入商社が、本国で買い付けて、ユーザーに直送するシステムのようでしたが、先日無事届きました。
懐かしい音楽は、聴くだけで一瞬にして当時の記憶を、鮮やかに蘇らせます。
音楽って、もしかするとタイムマシンなのかも知れません。