仕事柄、扱うことが多いので、工具にはなじみがあります。
とある事業所で、急遽ちょっとした器具の調整をすることになり、比較的簡単な作業だったので、たまたまその事務所にあった工具をお借りしました。
作業を終えてから、その工具を見てみると「TOYOTA」の文字が刻まれています。
これはトヨタ車の車載工具のプライヤーで、たぶんこの事業所で使われていた、社有車のものだったのでしょう。以前は、あるいは今でも、整備工場などで、安価に販売されていたものでした。
と、もうひとつお借りした、モンキーレンチには。
懐かしい刻印が。
これも日産車の車載工具ですね。
「NISSAN」と「MOTOR」の間に刻まれている丸と四角を組み合わせたものは、かつての日産のマークを簡略化したもので、トヨタのそれに比べると、ずいぶん手が込んでいます。
そもそもがモンキーレンチが車載工具に含まれていることから、おそらくは昭和の、それも乗用車ではなく、2tトラックなどの商業車のものかもしれません。
現代の乗用車は、スペアタイヤすら搭載されなくなって久しく「車載工具」という言葉そのものが今では死語の領域に入っています。
それは、自動車の信頼性が劇的に向上して、運転者が自ら日常的に整備する必要がなくなったことを意味しているのですが、普段から工具に慣れ親しんでいると、移動手段である自動車に何もないのは、やはり不安感がありますね。
などというのは、工具好きで、なおかつおっさんだからなんでしょうね。はい。