ちいさな世界

 先日、とある河原にて。

 清涼な水の中に、よく見るとたくさんの魚が泳いでいます。

 中には、体長20センチほどもありそうな魚もいました。

 釣りをしないので、魚種には疎いのですが、ニジマスでしょうかね。

 ひなたぼっこをするかのように、水面近くをのんびり泳いでいます。

 しかし実は。
 この場所は池や川ではなく。

 写真ではわかりにくいのですが、周囲数メートルほどの水溜まり。
 おそらく夏の台風時期の大水で、川の端に水があふれ、その水が引いてちいさな水溜まりになり、魚たちはその時にそのまま取り残されたのでしょう。

 今でも川水は少しずつ流れ込んでいるので、よどむことなく、澄んだ水が張られているようです。
 流れ込んだ水は、底が砂利なのでそこから浸透して、隣の川の本流に戻っていると思います。

 ざっと見ただけでも、大小100匹以上はいた魚たちですが、また大水でもないと、残念ながらここは出ることはかなわないでしょう。

 ちいさなちいさな世界ですが、でも案外平和なのかも知れません。