ふるさとの山に向かひて

 先週末からお休みをいただいたのは、帰省のためでした。
 帰省先は、岩手県の盛岡市です。

 親がついに介護を検討する年齢になってしまい、申請のためでした。
 身体の方はまだ元気で、80半ばを過ぎているというのに、医者にも通わず、常用薬もないのは幸いですが、さすがに認知の傾向が出始めています。

 そういうわけで、のんびりとした帰省とは行かず、わりとどたばたはしていたのですが、時間の合間に少し散策もしています。

 盛岡市内に古くから伝わる、五百羅漢。


 1735年頃、京都から来たものとされており、歴史の古い、盛岡ならではのものです。
 これは子供の頃、見に行った記憶があり、実に40数年ぶりの再来でした。

 そしてリゾートで有名な八幡平へは、これを見に行ってきました。

 昭和のボンネットバスで、1968年式のもの。積雪地で走るため、四輪駆動になっており、そのため実はトラックのシャシーにバスのボディを載せた、きわめて珍しい個体です。

 現在でもなお現役で、ここ八幡平リゾートから松川温泉への定期運行をしています。
 松川温泉は標高が高く、高低差が激しいことと、道が細いことから現在の大型バスでは冬期は運行が難しいため、積雪期のみ土日限定で運行されています。

 本当は実際に乗って松川温泉へ行きたいところでしたが、さすがにそこまでの時間はなく、眺めたのみ。

 この日は天気が良く、岩手山と空がきれいでした。

 この山をいつも間近に見て育ったためでしょう。今に至るまで、山が見えない都会に住むのは落ち着きません。
 ただ、この写真は詩人、石川啄木の故郷渋民村(現盛岡市渋民)方向から望んでいますが、個人的にはやはりこちら。

 盛岡市方向から望む、このかたちこそが岩手山、と、刷り込まれています。

 子供の頃は、ただの田舎としか思っていなかった盛岡市ですが、今となれば歴史の古さから趣もあり、自然豊かないい土地で育ったのだなあ、と実感します。

 ふるさとの山はありがたきかな