市井の歴史

 先週は、池田歴史資料館のネタを2連発してしまいました。
 こういう近代史的なものが好きなので。(笑

 と言いながら、資料館そのものをちゃんと紹介していなかったので、最後にすこしだけ(勝手に)ご紹介。

 先に書いたように、この資料館は元高島中学校だった建物を利用しており、展示室は元は教室などだったところなので、表示はそのままにしていますね。

 そんな中、個人的に興味を惹かれた展示物をいくつか。


 家畜の診療器具です。農具の展示をしている資料館は多いですが、酪農、ことにこういう獣医関係の展示は珍しいですね。


 大正期の手押し消防ポンプです。まれにこういったポンプ類が展示されていることがありますが、2台もあるのは珍しい。
 この他にも消防団の器具類や衣装など、地域で大切にされていたのがうかがわれます。


 貸本箱。初めて見ました。
 案内文によると、大正初期に貸本屋さんが、客にサンプルの新刊本を見せて回る時に使用したとのこと。
 昭和30年代に貸本が流行した話は聞いていましたが、大正期の話には驚きでした。


 菓子屋さんの道具の数々。真ん中の木製のものは、らくがんの型だそうです。


 羊羹の型だそう。豆栽培が盛んだった十勝らしいものですね。

 これらはごくごくほんの一部。それにしても、よくぞこれだけのものを根気よく集めたものだと感心します。
 また、明治期や大正期のものなど、入植した祖先が捨てずに保管していたことにもまた、驚きを禁じ得ません。

 見た感じでは、本州から嫁に来たのが、良家の子女だった方が多かったと見えて、比較的上質なものを持っておられ、それだけに大切に受け継がれて来た様子がうかがえます。

 こういう市井の人々の道具類は、大きな博物館などは展示されることはありません。
 しかし、とても身近に歴史を感じさせてくれる、貴重な資料だと思います。
 そんな資料館が私は好きですね。