ご覧の通りの年季の入りっぷりも当然、もう20年ほども昔、姫路のオートバイ仲間が贈ってくれたものですが、気に入っているのでずっと大切に使っています。
「明珍本舗」という鍛冶屋さんが造っている逸品で、職人さんの手造り。
その形状から、火箸風鈴と名が付いていますが、もともとは甲冑鍛冶だった明珍家が、明治になって甲冑の需要がなくなり、火箸を造り始め、それが昭和の時代に火鉢の需要がなくなって風鈴へ転化したと聞いています。
「只涼風の至るを許す」と短冊にあるように、とてもやさしく、ちりりん、と、優雅な音を奏でます。
そんなわけで夏には必ず下げていたのが、どうしたことか、昨年から行方不明になってしまいました。
昨年の暑い時期に、かなりがんばって家捜ししましたが、どこへしまいこんだものか一向に見つかりません。
かなり重量感のある風鈴なので、間違って捨てたとは考えられず、いったいどこへいったのだろうと、半ば諦めていたのですが。
先日、とある捜し物をしていて、ふだん使わないものを詰め込んで重ねてある、ダンボールを片付けていた時のこと。
床に置かれたダンボールの蓋の上に、なにか見慣れた袋が目に付きました。
あれ、これは?!と、開けてみると、まさにこの風鈴。
あんなに探してもなかったのに、そのすぐ傍のダンボールの上に載っていたとは。(笑
まったく自分のボケぶりに呆れつつも、無事再会を果たしたわけですが、悲しいかな、未だ十勝はじめじめの真っ最中。
早くからりと晴れて、優雅な音色が似合う気候になって欲しいものです。