「安い」には理由がある

 先日、芝刈り機を導入した話を書きましたが。

 芝そのものは楽に刈れるので、非常に具合が宜しいのですが、いかんせん庭の端やガレージに隣接した部分などが刈り切れません。まあ芝刈り機ですから当然です。

 残っているのはさしたる面積ではないとは言え、今更鎌振って、に戻れなくなってしまったので、結局刈払機も新調しました。
 もちろんコード付電動の安いものです。

ノーブランドの格安品もありましたが、さすがにそれはなんなので、これまた電動工具で有名なBOSH製を選びました。たまたまオークションサイトで未使用品が出ていたのを、無事確保。
しかもメーカー品にしては、異様に安く、ブランドものとしては最安値と言えるでしょう。
本物なのかなあ、という一抹の不安を抱きつつ、届いてみると、「POSH」とかではない、ちゃんとしたメーカーもの。(笑

 しかしこの安さには理由がありました。徹底したコストカットが為されていたのです。

 まず本体アーム長さは、これまで使用していたものの2/3程度に短くされており、私が使うぶんには問題ありませんが、背の高い人が使うと短いかも。
 コードも、通常は本体にソケットが付いており、それに長いコードを接続するものですが、これは最初から一本もののコードが付いており、持ち手も、輪状のハンドルが多い中、グリップに置き換えられており、肩から下げる吊りベルトも省かれています。

 驚いたのが、草を刈る刃は、ナイロンコードなのですが、通常は二本で一対になっているそれが、これは一本だけ。

 誤解の無いように書いておきますが、決して安物だ、とけなしているわけではありません。
 むしろここまで徹底して割り切った設計をしていることに、感心しているのです。

 実際使ってみると、モーターが意外に強力で、ナイロンコード一本でもなんら性能に問題はありません。


 最も、ベルトなしのグリップだけは、さすがにちょっと腕が痛くなったので、古い刈払機からハンドルと吊りベルトを移植しましたが。

 農家さんのように、広大な敷地の草刈りをするわけではなく、あくまで個人の小範囲用です。不要なものを省いてコストを下げるには、かなりの思い切りが必要だったことは、想像に難くありません。

 私のように、庭の隅をちょっと手入れしたい、という向きには価格の安さの方が魅力です。工業製品には、こういった割り切りも時には必要なのだなあ、と実感した製品でした。