川渡る船

 池田町郷土資料館で、驚いたことがもうひとつありました。

 昨日書いたように、壁に明治から昭和にかけての古い写真が展示してあったのですが。

 池田町には、十勝川と利別川という、大きな川が2本流れています。
 内陸には道路などない開拓期においては、川を遡っての船での輸送が大きな役割を果たしました。

 そして、集落ができてからも、橋の建設はなかなか難しく、それこそ昭和の時代に至るまで、渡し船が活躍したようです。

 十勝川は大きな川だけに、かつではあちこちに渡船場があったようで、現在でもその痕跡が残っている場所もあります。

 渡船というからには、人と自転車、荷車、せいぜい馬くらいは乗せたのだろうなあ、と思っていたのですが。
 この写真には驚きました。

 なんとタクシーが乗っています。
 これは大正期のようで、十勝川の渡船です。

 で、こんな大きな船もあったのだなあ、と感心していたら、この写真で腰を抜かさんばかりに驚きました。

 なんとバスが渡船に乗っています。

 しかも説明によれば、昭和29年まで存続していたとか。
 写真を見る限り、前後のタイヤギリギリの幅です。ていうか、こんな重い車両を横向きに乗せる発想が大胆です。

 転落や転覆事故とかなかったのかなあ、と、思いをはせてしまいましたが、写真を見る限り、帽子をかぶったバスの運転手らしき人も、のんびり船に揺られているのが見て取れます。

 やはりこういう部分では、のどかな時代だったのでしょうね。