最後の温泉

 台風の影響で、今日は雪が積もるのでは、と予報されていた芽室ですが、1日雨と、時折霙が混じったものの、積もるほどではありませんでした。
 しかし、通りを走る車の中には、峠越えをしてきたのか、フロントグリルが白くなっているものも見られたので、場所によってはそれなりに降ったようです。
 週末に車のタイヤを換えておいて、正解だったかもしれません。

 さて、先日ひょんなことから、足寄温泉が閉店すると聞いて、この週末、名残を惜しみに行ってきました。

 ここへ来るのは、何年ぶりでしょうか。鄙びた昭和の雰囲気が好きで、なんどか訪れています。
 あとわずかで閉業なので、混んでいるかな、と思いきや、地元の常連さんらしき車しかありません。

 入口が男女別に分かれている、銭湯スタイルの温泉、というか、造りは銭湯そのもの。
 露天やサウナがあるわけでもないのですが、趣はたっぷりです。

 券売機横に貼ってあった、閉店のお知らせ。

 設備の老朽化と、経営者がご高齢なことも、閉店の要因なようです。
 施設は確かに古く、お世辞にもきれいとは言えません。シャワーが出なかったり、カランがビニールテープで補修されていたり、ロッカーがないなどは、コアな温泉ファンにはむしろ受けるのかもしれませんが、一般向きではありません。
 お客さんも、昔馴染みの常連さんばかりなので、一般客を呼び込むために改装するには、かなりの投資が必要であろうことは、容易に想像できます。
 すぐ近所にある、道内大手農機具会社さんあたりが買い取って、営業再開してくれないものかと、勝手なことをつぶやいてみたり。

 番台のおばあちゃんと少しだけ話しましたが「いたましいけどねぇ」という言葉に実感がこもっていて、 たまにしか来ない、非常連の戯れ言に過ぎませんが、やはりこういう温泉が消えてしまうのは、寂しいですね。